私は関西育ちなのだが、東京での生活期間が人生の半分を越えてから数年が経つ。
学生時代の6年間、京都に住んでいたときには気がつかなかったが、
その後京都を訪れるたびに、そのスケールにいつも安心感を覚える。
丸太橋から南をみたところ。鴨川の橋を渡るたびに視線が開けて、ほっとする。
左手に寺社が点在する東山が連なる。
北を向くと、遠くに比叡山、北山、近くに下賀茂神社の杜が必ず見えて、
自分の位置を教えてくれる。
京都の町の程よい大きさを感じ、足が地に着いていると実感する。
世界遺産の下賀茂神社の参道は、参拝する心の準備をするのに充分な長さがあった。
京都には世界遺産として17箇所が登録されているが、
川沿いには表現主義の影響のある建物が建っていたりする。
京大の建築学科の建物や、大学に隣接する喫茶店も昔のままで、懐かしかった。
建築学科から一番近い喫茶店の「進々堂」は、内部は薄暗い感じで落ち着くので、
製図に行き詰るとよく息抜きに訪れたところだ。図書館のように静かな雰囲気では
ないのだが、大きなテーブルで黙々と勉強している京大生が必ずいた。
京都は、神社仏閣や町屋ばかりではないところが面白い。
今回は、新型インフルエンザの影響で、人出が少なかったようだ。