明けましておめでとうございます。
干支にちなんだ扇子をお茶の初稽古で先生から頂戴した。
鳥獣戯画のウサギが弓を引いている場面だ。
お茶の柄杓はもと弓師がこれを作ったと言い伝えられていて、
柄杓の扱いに、弓の手が取り入れられているのだ。
風炉点前での、
「置柄杓」は、矢を弓につがえるところの気持ちで、慎重に構える。
「切柄杓」は、矢を発矢とばかり放したところの気持ちで、勢いが必要。
「引柄杓」は、弓を満月に張ったところの心持で引くという。
残念ながら、私は炉になってから稽古を始めたばかりで、
風炉先の点前は未だ稽古していないのだが。
彩鳳舞丹霄(さいほう たんしょうにまう)
お茶の初稽古の席の床の間に飾ってあった掛け軸の文字だ。
彩鳳とは、五色の羽を輝かせながら舞う鳳凰のことで、
天下がうまく治まっているときに現れるという幻の鳥だそうだ。
丹霄の丹とは、真っ赤という意味ではなく、
この場合澄み切っているということで、霄とは大空のことなので、
澄みきった大空に色彩鮮やかな鳳凰が舞うという、
新年にふさわしいおめでたい情景を表している。
ただ、私たちの心が澄みきり、美しく晴れ上がったときに初めて、
その鮮やかな光景を目にすることができるという意味が込められている。
この軸を掛けた先生からの「精進しなさい。」とのメッセージに、
応えられるよう気持ちを新たにして稽古に励まなければ。