六本木ヒルズにある森美術館でコルビュジェ展が開催されている。図面と模型だけでなく、コルビュジェのアトリエやマルセイユに設計した集合住宅が実物大で再現されていたり、映像が何箇所かで放映されていたりする。今まで2度観たがまだ見足りない感じがしている。コルビュジェは午前中は毎日アトリエで絵を描いて午後から事務所に出かけて設計することで有名であるが、その絵画や彫刻も数多く展示されている。コルビュジェのパワーを感じる、なかなか見応えのある展覧会だ。
その関連企画として建築家の安藤忠雄の講演会が行なわれて、ヒルズアカデミーの会員の方に誘われて出かけてみた。よかった点は安藤忠雄のパワーを身近に感じたこと。頼まれてもいないのに他人の敷地に設計をして怒られながらも最終的にはそれを実現させてしまうのだ。瀬戸内海の島々に植樹したり私鉄沿線の土手を緑化したりする話や、街づくりで道路から電信柱をなくす話は目新しいアイデアではないが、誰もがよいとわかっていてもなかなか話が前に進まないことでもそれを彼のパワーでひとつひとつ実現していっている。
残念だった点は安藤忠雄からコルビュジェの話をあまり聞けなかったことだ。コルビュジェのことはよく知らないのでと言って、ほとんどが自分の作品のスライドを見せて話が終わってしまった。
しかし、安藤忠雄のファンだという本格的演技派女優OK(僕は昔から彼女のファン)も講演会に来ていて、講演会が終わってからちょっと話が出来たのが実は一番良かった点だったりして。