芒原 米寿の父の ストップモーション 真
父の米寿のお祝いを兼ねて、両親と箱根に行ってきた。
関西在住の両親にとって、「箱根」は、東京とを隔てる
特別の存在だったようで、一度は行ってみたいところだったようだ
箱根仙石原のススキは、秋の明るい太陽光を浴びて、
ゆったりと光を反射している。
時折、風になびきながら、様々な表情を見せる。
父の88年の人生の思い出が、ストップモーションのように
立ち表れたように感じた。
父は、青春時代に徴兵され、太平洋戦争で中国に滞在し、
終戦後数年間、ソ連で抑留生活を送っている。
その時の辛い思いでは、あまり語りたがらない。
しかし、いくつかの文章に残しているので、
整理してインターネット上で公開したいとは思う。
楽しい思い出、辛い思い出、私の知らない様々な思い出が、
芒の反射光に遠慮がちに照らし出されているように感じた。