先日のお茶の稽古の床飾りは、短冊に梅の一枝が描かれていて、
その上に「和雪香」(雪に和してかんばし)と書かれていた。
掛け軸ならば、「(一枝)梅花和雪香」(いっしのばいか ゆきにわしてかんばし)と
書かれるところを、梅の花の絵と「和雪香」の三文字で短冊に仕上げたものだった。
白い雪の中で咲く白い梅の花は、お互いに溶け込みながら、
相反することなく「和して」、しかも梅は雪に同化することなく芳香を放って
その存在を主張している。
「和して同ぜず」という言葉にあるように、凛とした気品のようなものを梅に感じる。
長く厳しい寒さに耐え、その中にあって過剰に目立つわけでなく、
清楚さと気品をもって凛とした美しさと気高い香りを放つ梅の花は、
昔から日本人の典型的な美意識を表しているといえる。