大寄せのお茶会でお点前デビューした。
ちょうど一年前のお茶会では客としてお茶をいただいていたのが、
今度はお茶を点てたりお運びをすることになるとは想像もしていなかった。
しかも着物を着て袴を着けて。
お茶会では、大勢のお客さまの前でお茶を点てるので、緊張して細かいところではいろいろ間違えてしまった。大きな流れでは問題なかったのだが、終盤に建水を持って立ち上がろうとしたときに、袴の裾を踏んで、危うく転倒しそうになった。見ている人たちはさぞやヒヤッとしたことだろう。
1年前のお茶会をきっかけに、お茶を点てる作法というより、背後にある文化に興味を持ってお茶の稽古を始めたのであるが、永い年月をかけて洗練されてきた作法も、やってみると面白い。
実際に着物を着てお茶を点ててみると、洋服を着ているときでは気づかない所作の意味がよく判る。
今まで着物を着ることがまったくなかったが、お茶を機会に、隅田川の花火を浴衣を着て観たりもし、案外着物も捨てたものではないと思った。