お笑いタレントの爆笑問題が出ている転職のテレビCMで、サンサーンスの交響曲第3番「オルガン付」が使われているのを最近よく目にする。
オルガンが突然ガーンと鳴り出してドラマチックなメロディが流れ、「転職は慎重に」とナレーションが入るやつだ。

第2楽章の後半部分の冒頭の、あのオルガンが鳴り出す瞬間はぐっと息を呑むほど好きだ。
私が知らないだけなのかもしれないが、ついにテレビCMにも使われたかと思った。
オルガンが鳴り響くときに私は荘厳な空間を感じる。パイプオルガンそのものが空間を感じさせる存在ではあるが、天に向かってオルガンが鳴り響き、それに続く力強いメロディがゴシック教会を構築していく印象を持つ。画像はパリのノートルダム寺院。

ゴシック教会の構築を感じさせた後それに答えるようにやさしい音が呼応し、それはまさに天使と共に光が降り注ぐかのような印象を与える。

第2楽章の後半はサンサーンスが打ち建てた天に聳える大伽藍といえる。
爆笑問題の二人だけが映し出されているモノトーンの画面は、空間をまったく感じさせないのが残念だが、転職とはドラマチックなのだという雰囲気をあの音楽で表しているといえよう。