劇団バッコスの祭の「センの風とムラサキの陽」を観劇した。
第22回池袋演劇祭で優秀賞を受賞した記念の再演なのだ。
実は再々演ということらしい。
友人の娘さんが女優として出演していて、
前回観てとても面白かったので、2度目だがまた観た。

太平洋戦争末期の広島が舞台で、
弟は原子爆弾の開発に身を投じ、
姉は戦意高揚演劇に情熱を捧げているという設定。
内容的には重い部分も含んでいるが、劇中劇が実に巧妙に笑いとともに
筋を引っ張っていて、その構成の巧みさには感心した。
笑って笑って泣いて、2時間休憩なしだが、
最後まで引き込まれたまま観てしまった。
さらに、福島原発の事故のことも既に予言していて考えさせられるという、
とても充実した内容の演劇なのだ。
作・演出の森山智仁氏が、劇作家としての最終目標は
「死後も上演され続けること」と述べられているが、
まさに上演し続けて欲しい作品だと思う。
上演後、悩みや迷いを持ちつつ颯爽とした原爆の研究者役を演じていた
雨宮真梨さんとツーショット。